最終判例解説(16);最高裁判所平成21年3月27日判決

1 事案
平成14年12月2日,株式会社X(原告・被控訴人・被上告人)はY(被告・控訴人・上告人)との間で,XY間の手形貸付取引をおこなっていた。そして,YのXに対する現在および将来有する貸付金債権とそれに附帯する一切の債権とを担保するために,XがAに対して取得する工事代金債権をYに譲渡する旨の債権譲渡契約を締結した。
上記工事代金債権は,平成14年6月2日を始期,平成18年12月2日を終期とする工事に係るものであり,債権譲渡禁止特約が付されていた。Xはこの工事代金債権中,出来高に応じて債権1~3を順次取得した。
Xは,平成17年3月25日,特別清算開始決定を受け,同手続を遂行中である。
Aは,平成16年12月6日に債権1,平成17年2月8日に債権2,同年12月27日に債権3について,それぞれ債権者不確知を理由に供託した。
Xは,譲渡禁止特約違反を理由にXY間債権譲渡の無効を主張して,供託金還付請求権がXに帰属することの確認を求めて訴訟を提起した。これに対して,Yは,Yに供託金還付請求権が帰属することの確認を求めて反訴を提起した。
第1審(神戸地尼崎支平成18年11月17日),原審(大阪高判平成19年4月27日)いずれもX勝訴とした。これらを受けて,Yは,譲渡禁止特約違反を主張できるのは債務者のみであるなどとして上告受理申し立てをした。 

2 判旨
破棄自判。
「民法は,原則として債権の譲渡性を認め(466条1項),当事者が反対の意思を表示した場合にはこれを認めない旨定めている(同条2項本文)ところ,債権の譲渡性を否定する意思を表示した譲渡禁止の特約は,債務者の利益を保護するために付されるものと解される。そうすると,譲渡禁止の特約に反して債権を譲渡した債権者は,同特約の存在を理由に譲渡の無効を主張する独自の利益を有しないのであって,債務者に譲渡の無効を主張する意思があることが明らかであるなどの特段の事情がない限り,その無効を主張することは許されないと解するのが相当である。」

3 解説
本件判決は,債権譲渡禁止特約が専ら債務者の利益のために付されるものであるとして,債務者に譲渡無効を主張する意思があることが明らかであるなどの特段の事情が無い限り,債権者が債権譲渡の無効を主張することは許されないとした。
債権者が自ら譲渡禁止特約に違反して債権を譲渡しておきながら後にその譲渡の無効を主張することは,信義則違反を理由に排斥することも可能であろうが,債権者による無効主張そのものが原則として許されない旨判示した点に本件判決の特徴があるといえるだろう。

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