最新判例紹介(6);最高裁判所平成24年9月4日第三小法廷判決

1 事案
Xは、Aに対する貸金債権の回収のために、A所有不動産を賃借しているYに対するAの賃料債権を差押え、XはYに対して取立訴訟を提起した。第1審では、Yの弁済の抗弁、及び相殺の抗弁が認められて、一部のみXの請求が認容された。原審(大阪高等裁判所平成22年3月26日判決)では、YがA所有建物の所有権を取得してとして、所有権取得日以降は賃料債権は混同により消滅したとの抗弁を提出したが、原審はYの抗弁を認めずXの請求を全部認容とした。

2 判決の判旨
一部破棄差戻し。
賃料債権の差押えを受けた債務者は、当該賃料債権の処分を禁止されるが、その発生の基礎となる賃貸借契約が終了したときは、差押えの対象となる賃料債権は以後発生しないこととなる。したがって、賃貸人が賃借人に賃貸借契約の目的である建物を譲渡したことにより賃貸借契約が終了した以上は、その終了が賃料債権の差押えの効力発生後であっても、賃貸人と賃借人との人的関係、当該建物を譲渡するに至った経緯及び態様その他の諸般の事情に照らして、賃借人において賃料債権が発生しないことを主張することが信義則上許されないなどの特段の事情がない限り、差押債権者は,第三債務者である賃借人から、当該譲渡後に支払期の到来する賃料債権を取り立てることができないというべきである。
そうすると、本件においては、平成21年12月25日までにAがYに本件建物を譲渡したことにより本件賃貸借契約が終了しているのであるから、上記特段の事情について審理判断することなく、XがYから本件賃貸借契約に基づく平成22年1月分以降の賃料債権を取り立てることができるとした原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。論旨は、以上の趣旨をいうものとして理由があり、原判決のうち、Yに対し平成20年8月分から平成21年12月分までの賃料合計2380万円を超えて金員の支払を命じた部分は破棄を免れない。そして、上記特段の事情の有無につき更に審理を尽くさせるため、上記の部分につき、本件を原審に差し戻すこととする。」

3 判決の解説
本件では、賃料債権の差押え後に、賃料債権発生の起訴となる賃貸借関係が終了した場合に、賃貸借関係終了後においても、取立訴訟の債権者がその後も発生したであろう賃料を請求できるかが問題となった。債権の差押えは、債務者に対し債権の取りたてなどの処分を禁止し、将来にわたって継続的に発生する将来債権についても差押えすることが認められています。しかし、差押えの対象となった債権を基礎づける法律関係の処分までも差押えは制限するものではありえません。本最高裁判所判決はこの点について明示的に判断して、A所有建物の所有権をYが取得した結果賃貸借関係が混同によって消滅した場合には、その賃貸借関係によって発生する賃料債権の差押えも効力を失い、取立訴訟によって請求できないと判断しました。

アクセス

千葉駅東口徒歩4分

千葉市中央区新町18-12
第8東ビル3階(地図はこちら

交通

  • JR千葉駅東口徒歩4分
  • 京成千葉駅東口徒歩3分
  • 千葉都市モノレール千葉駅中央口徒歩4分

債務整理の無料相談(24時間受付)

借金問題で弁護士をお探しの場合

相談は何度でも無料です

無料法律相談(24時間受付)をご利用下さい

刑事事件の無料相談(24時間受付)

逮捕・起訴されて弁護士をお探しの場合

刑事弁護はスピードが勝負

無料法律相談(24時間受付)をご利用下さい

離婚法律相談

皆様と弁護士と二人三脚で問題の解決へ進みます

離婚協議書作成とメールによる話し合いサポート

相続法律相談

新橋本店との連携で専門性の高い案件にも対応

千葉を起点とする沿線都市に出張相談可(日当+交通費をいただきます)

法人破産無料法律相談

  • 新橋本店との連携で専門性の高い案件にも対応
  • 会社の清算について、倒産手続きについてサポート

建物明渡請求法律相談

アパート・賃貸マンションなどの建物明け渡し請求についてサポート

債権回収法律相談

貸金債権回収、請負代金回収、売買代金回収についてサポート