最新判例紹介(8);最高裁判所平成24年9月13日第一小法廷判決

1 事案
不動産会社Xは、自己所有不動産をYに5年間の定期借家契約を締結して賃借し、契約期間の5年経過したところから、Yに対して明け渡しを求めたが、Yは借地借家法38条に定めた書面の交付がないことから本件賃貸借契約は定期借家契約ではなく普通賃貸借としてXの明け渡し請求を拒否した結果、XがYに対して明け渡し請求及び遅延損害金請求を求めて提訴した。
原審(東京高等裁判所平成22年3月16日判決)は、本件契約締結前に、XからYに契約書原案が送付され、Yが本件契約について検討していたことなどを理由として、借地借家法38条2項に定める書面として本件契約書とは別個独立の書面を交付する必要性は極めて低いとして定期借家契約として有効と判断して、Xの請求を認容した。

2 判決の判旨
破棄自判(Xの請求を棄却)。
最高裁は、法38条1項から3項までの規定の構造を確認した上で、以下のように判断した。
「法38条1項の規定に加えて同条2項の規定が置かれた趣旨は、定期建物賃貸借に係る契約の締結に先立って、賃借人になろうとする者に対し、定期建物賃貸借は契約の更新がなく期間の満了により終了することを理解させ、当該契約を締結するか否かの意思決定のために十分な情報を提供することのみならず、説明においても更に書面の交付を要求することで契約の更新の有無に関する紛争の発生を未然に防止することにあるものと解される。
 以上のような法38条の規定の構造及び趣旨に照らすと、同条2項は、定期建物賃貸借に係る契約の締結に先立って、賃貸人において,契約書とは別個に,定期建物賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により終了することについて記載した書面を交付した上、その旨を説明すべきものとしたことが明らかである。そして、紛争の発生を未然に防止しようとする同項の趣旨を考慮すると、上記書面の交付を要するか否かについては、当該契約の締結に至る経緯、当該契約の内容についての賃借人の認識の有無及び程度等といった個別具体的事情を考慮することなく、形式的,画一的に取り扱うのが相当である。
 したがって、法38条2項所定の書面は、賃借人が、当該契約に係る賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により終了すると認識しているか否かにかかわらず、契約書とは別個独立の書面であることを要するというべきである。」
 本件契約書の原案は本件契約書と別個独立の書面であるとはいえず、他にXがYに書面を交付して説明した事実はない。「そうすると,本件定期借家条項は無効というべきであるから、本件賃貸借は、定期建物賃貸借に当たらず、約定期間の経過後、期間の定めがない賃貸借として更新されたこととなる(法26条1項)。」

3 判決の解説
借地借家法38条2項に定める書面の交付について、契約書とは別個独立の書面を要するかどうかをめぐって争いがあったところ、最高裁判所は本件判決で、借地借家法38条2項所定の書面を契約書とは別個独立の書面として交付する必要があることを初めて判示したものであり、実務上重要な意味を持つものと言えます。

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