最新判例解説(12);最高裁判所平成21年8月12日決定

1 事案
中国の法人Aは,平成18年5月17日,Yとの間で,Y及びその組合員が実施する外国人研修事業につき,Aが中国人研修生等を日本に派遣等するために必要な経費の一部をYが負担する旨の契約を締結した。この経費は,YがAに送金して支払うことになっていた。
弁護士Xは,Yから上記契約に基づく債権の回収を依頼されていたが,平成20年2月,Yの経費負担金111万円(以下,「本件負担金」)の支払請求権(以下,「本件債権」)を譲り受けた。これは,本件負担金の支払いを求める訴訟の提起や保全命令の申立てを行う際に,日本国内に支店・営業所を持たない外国法人であるYが債権者だと生じるであろう訴訟追行上の困難を避けることを目的として行われたものである。
Xは,同月8日,本件負担金の支払いを求める本案訴訟(以下,「本件本案訴訟」)を提起し,同月12日には,YのB銀行に対する債権について仮差押えの申立てを行い,同月14日には仮差押決定が発令された。
これに対して,Yが保全異議の申立てを行った。
 原々審(岡山地決平成20年3月24日)は,仮差押えを命じた決定を取消し,Xの仮差押え命令申立てを却下した。X抗告。
 原審(広島高岡山支決平成20年10月8日)は,Xが本件債権を譲り受けた当時,本件本案訴訟等は係属していなかったから本件債権の譲受けが弁護士法28条に違反する行為であるとはいえないが,弁護士の品位の保持や職務の公正な執行を担保するために弁護士が係争権利を譲り受けることを禁止した同条の趣旨に照らせば,本件債権の譲受けは,特段の事情がない限り,その私法上の効力が否定されるものであるとした。
そして,本件債権の譲受けが無効となる結果,Xは被保全権利である本件債権を有してはおらず,被保全権利の疎明がないとして,Xの抗告を却下した。X許可抗告の申立て。
 
2 判旨
破棄差戻し
「債権の管理又は回収の委託を受けた弁護士が,その手段として本案訴訟の提起や保全命令の申立てをするために当該債権を譲り受ける行為は,他人間の法的紛争に介入し,司法機関を利用して不当な利益を追求することを目的として行われたなど,公序良俗に反するような事情があれば格別,仮にこれが弁護士法28条に違反するものであったとしても,直ちにその私法上の効力が否定されるものではない(最高裁昭和46年(オ)第819号同49年11月7日第一小法廷判決・裁判集民事113号137頁参照)。そして,前記事実関係によれば,弁護士であるXは,本件債権の管理又は回収を行うための手段として本案訴訟の提起や本件申立てをするために本件債権を譲り受けたものであるが,原審の確定した事実のみをもって,本件債権の譲受けが公序良俗に反するということもできない。」

3 解説
本決定は,本件債権の譲り受けが弁護士法28条によって禁止されている「係争権利の譲り受け」に当たるか否か自体についての判断は明示していない。
しかし,仮に「係争権利の譲り受け」に当たり弁護士28条に違反するとしても,も公序良俗に反するような事情が認められない限りは司法上の効力を否定されるものではないとした上で,本件では公序良俗に反するような事情は認められないので本件債権の譲り受けは有効であるとした。

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